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ペットのオンライン診療のこれから~日本遠隔医療学会 オンライン診療分科会 公開研究会に参加しての感想~

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ヒトの医療の学会である、日本遠隔医療学会の

オンライン診療分科会第1回公開研究会が6月7日、

「新型コロナウイルス感染対策―オンライン診療の優位性を最大活用するために―」

というテーマで、オンラインにて開催されました。

 

ヒトの医療では、コロナ以前にもオンライン診療についての議論が始まっており、

ガイドラインの策定や、保険診療の基準なども決まっていましたが、

様々な制約の中で実際に導入をしている病院は少数でした。

 

新型コロナウイルス感染症によって注目を浴び、広まりつつあるなかで、

現在の状況や課題が共有されました。

 

今回の内容をまとめ、動物医療の視点から感想を述べさせていただきたいと思います。

新型コロナウイルス感染症の拡大期におけるオンライン診療の取り扱い経緯

2020年3月31日、経済財政詰問会議にて、

 オンライン診療の活用が重要であることを確認し、規制改革推進会議で

 取りまとめることを要請。

 

4月1日、規制改革推進会議にて、

 特命タスクフォースの設置

 

4月2日、特命タスクフォースにて、

 受診歴のない患者も電話やオンライン診療を認めるべきことを提言

    検討会にて、

 新たに生じた症状、受診歴のない患者に対しての診断・処方も条件付きで了承。

 

4月3日、規制改革推進会議にて

 検討会に対し、全面的な解禁に向けた再検討を要請

 

4月7日、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策にて

 初診も含め、適切な対応が受けられる仕組みを整備

 受診歴のない者について、医師の判断により診断や処方を実施

 

5月19日、国家戦略特別区詰問会議にて、

特例的な取り扱いについて、緊急事態宣言解除後も引き続き、効力を有すると確認

まとめ

 ・今回の規制緩和は非常事態の下、患者や医療従事者の感染を防止し、

  地域医療の崩壊を避けるための、特例中の特例

 

 ・本来検討するべき場を越えた会議等により方向性を決められることは問題で

  医師による十分な調査や分析に基づいた検討や判断が必要

 

 ・医療資源の不足する地域で十分に活用 されているか?

  医療安全の面から問題はないか?の検証が必要

プライマリ・ケアにおける課題

これまでのオンライン診療

保険の算定条件が厳しく、限定された患者さんにしか実施できなかった。

時限措置で変わったこと

 ・初診も可能に

 ・事前3カ月以上の対面診療が必要なしに

 ・疾患の限定なし

 ・全診療におけるオンライン診療の割合制限なし(平時は1割以下)

 ・処方可能日数

想定場面

 ・トリアージ

 ・慢性疾患のかかりつけ患者対応

 ・久しぶりに受診した方の新規症状

 ・まったくの初診に対する相談

課題

 ・時限措置後のオンライン診療の適応は?

 ・プロフェッショナルオートノミーの観点から、

  オンライン診療に適していない症状や場面を規定すべき

 ・診療ガイドの作成(適切例、不適切例)

   ※一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会より

オンライン診療とは

 ・対面診療と対比するものではない

 ・入院・外来・在宅に加えた大4の診療形態である

 ・プロフェッショナル・オートノミーの視点で正しい適応と使い方を考えるべき

診療報酬の関して

オンライン診療の制限

 ・疾患の制限

 ・通院歴による制限:連続3回4カ月が必要

 ・診療間隔の制限:3カ月に1回の対面診療が必要

 ・担当医の制限:原則同一医

オンライン診療の適応数(平成31年3月時点)

 レセプト総数の100万分の1

今回の時限的緩和においても、保険の算定要件は実質緩和されていない

 オンライン診療に移行する経営的な病院のインセンティブがいまだに低い

オンライン診療実施病院の実情

 ・厚労省のリストは電話再診のみも含まれている。

 ・オンライン診療を日常的に行っている病院のリスト

  一般社団法人日本医療ベンチャー協会で公開している。

  (実質は1700件弱ほど)

診療報酬に対する要望

 ・電話診療とオンライン診療は質が異なり、同じ評価は違うのではないか。

 ・診療報酬で対面診療とオンライン診療で差をつけないでほしい。

オンライン診療普及の壁

 ・診療報酬の低さ

電話診療との質の違い

 ・患者の重症度を評価できる。電話だと患者が冷静だと過小評価される可能性も

 ・医者が顔を見せることで安心感を提供できる

 ・どんな状態でもダイレクトにつながることができる。

精神科領域におけるオンライン診療の展望と課題

アメリカの精神科領域では、59%の医療機関がアクティブにオンライン診療を実施

 ・精神科領域はオンライン診療が導入しやすい領域

 ・対面診療と診療精度や治療成績が同等であるというエビデンスがある

 ・マスクなしの診察によるコミュニケーションのしやすさが印象的

 ・緩和されたとは言え、諸外国と比べて日本における規制は以前厳しい

動物医療における現在のオンライン診療の認識

農林水産省の見解 

動物病院の管轄省庁は農林水産省ですが、2020年4月13日現在、

まだ動物医療のオンライン診療に関しての見解は発表されておりません。

今後、何かしらのコメントが発表される可能性はありますが、

このヒトの医療におけるオンライン診療の基準が一つの目安になると考えられます。

 

ただ、新型コロナウイルス発生以前でも、ヒトの医療のオンライン診療と比較して

議論が進んでいなかった状況を見ると、

大きく緩和されるのは短くない時間が必要だと考えます。

 日本獣医師会の見解

公益社団法人 日本獣医師会は、2020年4月3日に、「新型コロナウイルス感染症の

拡大に伴って都市封鎖等の措置が発動された場合における小動物診療施設等の対応

について」という事務連絡を発出しました。

 

この中で、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」

(令和2年3月28日付け新型コロナウイルス感染症対策本部決定)等を踏まえて、

「新型コロナウイルス感染症に対する小動物診療施設等の対応について」が

まとめられています。

 

感染防御対策のひとつに、「4 電話等による診療の指示等」の項目があり、

「電話等による聴取の結果、罹患動物の病状が重篤で緊急的な処置等を要する場合を

除き、来院を延期した上で、オンライン診療、電話、メール等での診療の指示、

指導に止めること。」とあります。

 

また、2020年4月14日発出の

「「緊急事態宣言」の発出に伴う外出自粛要請の期間中における小動物診療施設等の

対応に係る留意事項について」では、

上記の事務連絡の内容を補足し、下記のように記載されています。

 

 1. 令和2年4月3日付け事務連絡は、あくまでも「緊急事態宣言」に伴う

  外出自粛要請の期間中を前提に、小動物診療施設等において推奨される対応方策

  を提示したものである。

 

 2. 令和2年4月3日付け事務連絡の別添1の「4 電話等による診療の指示等」に

  例示した「オンライン診療」等は、獣医師法第18条に規定された「無診察診療」

  に該当しない範囲内で実施しなければならず、診療対象動物に直接対面して

  診察することを一度も行っていない初診の場合には認められないこと。

 

  ※上記内容は、日本獣医師会の発出した事務連絡を一部抜粋したものです。

   より正確にご理解いただくには原文を必ずご参照ください。

まとめと感想

ヒトの医療では、新型コロナ対策が遅いといわれていた中、

オンライン診療についての議論が急速に進み、

慎重ながらもなんとか緩和しようと議論され、

現状の日本の制度の中でぎりぎりの緩和を行ったという印象を受けました。

 

依然諸外国と比較して規制は厳しいものであるが、

感染状況の違いや、保険制度の違いなど、

日本ならではの課題があっての現状だということも理解できました。

 

専門家の中で、十分な議論がされての緩和ではないため、

今後、恒常的な規制緩和をするためにはさらなるエビデンスと議論が

必要であると感じました。

 

国民皆保険の制度という中で、どのように利便性と安全性を両立しながら

運営していくのかが今後のポイントになると思います。

 

まだ、ヒトの医療の現場でもオンライン診療に対しての試行錯誤をしている段階だと

感じました。

 

一方、動物医療にはヒトの医療でオンライン診療が大きく広がらない最大の障害

である皆保険制度がないため、

議論を進めれば、比較的制度としてのハードルは低いように感じます。

 

今できることを実践しながらエビデンスと経験を積んで、

業界全体の議論がされることが必要で、

公的な見解や指針が示されることで、全国一律の基準でペットのオンライン診療が

運用できるようになり、安全で便利な獣医療の提供につながると思います。

 

いま、実施できるオンライン相談・診療に関しては下の記事をご参考にしてください。

blog.mirpet.co.jp

 

 新型コロナウイルスにおける海外のペットの医療の対応状況はこちらを

ご参考にしてください。 

blog.mirpet.co.jp

 

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