2024年6月21日、愛玩動物に係るオンライン診療の受診の円滑化について
記載された、「規制改革実施計画」が閣議決定されました。
2024年5月31日に規制改革推進会議にて取りまとめた
規制改革推進に関する答申により示された規制改革事項について、
政府として計画的かつ着実な実施を図るため、
担当府省や実施時期を定めたものです。
この中には、
1.農林水産省は、
オンライン診療がより積極的に活用されるための指針を策定 すること。
2.指針の策定にあたって、
厚生労働省における「オンライン診療の適切な実施に関する指針」等の
既存の指針も参考にすること。
3.その指針には、「初診からのオンライン診療を行うことが可能」であることを
盛り込むをこと。
4.上記の措置は令和6年度中をに行うこと
などが記載されております。
これにより、ようやく愛玩動物のオンライン診療についての
国による正式な指針が出されることになります。
ネットにて、「ペットのオンライン診療が本格解禁へ」というニュースが
出ておりますが、現状でもオンライン診療は可能であったのですが、
今回の国の指針によって、よりルールが明確になり、
世間の認知が高まるといこうことになります。
以下、愛玩動物におけるオンライン診療について改めてまとめます。
- ペットのオンライン診療の今
- 今回の規制改革推進室の提言の背景
- 今後の流れ(※当社推定含む)
- オンライン診療が初診から実施できるようになることの懸念点
- 当社のオンライン診療に対する考え
- 農林水産省によるペットのオンライン診療に関するアンケート協力のご案内
- オンライン相談・診療システム「みるペット」のご登録はこちら
ペットのオンライン診療の今
ペットのオンライン診療については、
日本獣医師会さんから「愛玩動物における遠隔診療の適切な実施に関する指針」が
出されております。
その内容は、現在の法律や今までの通知などを根拠に
現状で可能な範囲のルールがまとめられております。
現時点では、<strong>農林水産省にオンライン診療について問い合わせを行うと、
この日本獣医師会さんのガイドラインを参照するようにとの回答を得られます。
そのため、現時点でのオンライン診療については、
このガイドラインを守って運用することが適法に運用できる指針となっております。
その内容踏まえて、当社にて現時点でオンライン診療でできることを
下記の記事にまとめておりますので、ご参照ください。
今回の規制改革推進室の提言の背景
・2024年6月現在、小動物のオンライン診療実施に関する指針は日本獣医師会作成の
「愛玩動物における遠隔診療の適切な実施に関する指針」のみで、
公的な機関が作成したものはない。
日本獣医師会によるガイドラインはこちら
・同指針の解釈が人によって幅があることが原因で、
一度オンライン診療サービスの運用開始をした事業者がサービス中止を行ったリ、
明らかに獣医師法違反であると見受けられるサービスの出現などが生じる。
・同ガイドラインの捉え方、解釈の違いによって、
各地方自治体によっても質問に対する回答の違いが生じている
国が指針を策定することで、獣医療者側の共通認識が作りやすくし、
獣医療提供者の法的安全性を確保することが可能になることで、
愛玩動物におけるオンライン診療がより積極的に活用される環境が
整備されることになります。
今後の流れ(※当社推定含む)
1.意見聴取
上記の「規制改革実施計画」には、以下のように記載されております。
「農林水産省は、愛玩動物診療におけるオンライン診療について、
具体的にどのような要望や課題があるかを現場の飼育者、獣医師等に対して調査を
行い、その結果を踏まえ、飼育者の利便性向上等の観点から、
オンライン診療がより積極的に活用されるための指針を策定する。」
そのため、まずは獣医師側と飼い主側の意見を収集するとのことです。
現在、農林水産省がオンラインアンケートを実施中です。
当社は、特定の団体などの偏った意見ではなく、より多くの幅広い意見を
収集することが現場の本当の意見を届けるために重要だと考えております。
そのため、アンケート実施の協力を行いたいと考えております。
ぜひ、以下よりご回答の協力をお願いいたします。
ペットのオンライン診療に関するアンケート
• 実施主体:農林水産省 消費・安全局 畜水産安全管理課
• 対象者:獣医師、飼育者向けアンケート
• 日程 2024年6月末~9月末頃(予定)
• 対象 獣医師、愛玩動物飼育者
• 実施方法 Microsoft formsによるウェブアンケート(匿名)
アンケート回答はこちらから(匿名)
2.内容の検討
上記の「規制改革実施計画」には、以下のように記載されております。
「農林水産省は、指針を策定するに当たり、厚生労働省における
『オンライン診療の適切な実施に関する指針』等の既存の指針も参考にしつつ、
初診からオンライン診療を行うことが可能であることを盛り込む。」
農林水産省として、参考にできる既存の指針は主に以下の2つであると考えられます。
1.厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」
2.日本獣医師会の「愛玩動物における遠隔診療の適切な実施に関する指針 」
上記2点は、「初診からオンライン診療を行うことが可能である」ことは
記載されています。よって、2の日本獣医師会のガイドラインをベースにしつつ、
現状に則したないように修正、加筆していくのが現実的なのではと考えております。
3.指針の策定
上記の「規制改革実施計画」では、指針の策定期限を令和6年度中としております。
よって、検討作成の時間を考えると、
年度末の2025年3月頃に指針の策定がされるのではないかと考えております。
4.各地方自治体、業界団体への周知
農林水産省からの指針の策定を受け、各地方自治体への周知、
日本獣医師会などの業界団体を通して
全国の動物病院、獣医師への周知が行われると考えられます。
よって、国による愛玩動物におけるオンライン診療のガイドラインに沿った、
オンライン診療の運用は、
早くても来年度以降から行われるのではないかと想定されます。
オンライン診療が初診から実施できるようになることの懸念点
これから策定されるガイドラインの内容にはよりますが、
当社では、特に初診については、解禁のされ方によっては、
以下のような問題が生じる可能性があると考えてます。
ペットの健康リスク
利益優先のサービスの出現によって、薬の実質の販売になることで、
早期の診断、治療が遅れてしまう可能性
社会的リスク
オンライン専門の動物病院の登場
⇒ 地域の動物病院の売上減少、廃業
⇒ 地域の医療格差の拡大、対面診療時の治療費、手術費用の高騰
⇒ ペットの飼育ハードルの上昇
⇒ 市場の縮小
当社としましては、上記の懸念を解決できるようなガイドラインの内容になることを
望んでおります。
なお、当社も協賛団体として協力させていただいております、
日本獣医オンライン診療研究会にて、上記のような懸念やその解決案などは、
2021年9月に農林水産省宛てに意見書として提出をしております。
当社もこちらの内容に賛同しておりますので、内容をご参照いただけたらと思います。
当社のオンライン診療に対する考え
当社は、オンライン診療を単に「スマホなどを用いてオンライン上で診療を行うこと」
というものではなく、
「対面診療に加えてネット上でも飼い主様と獣医療者の皆さまがコミュニケーション
をとることができる」ものと捉えております。
つまり、当社の理念である、
「動物と家族、そして健康を守る動物病院の想いを一つに」を
実現できるものと考えております。
診療内容によっては、オンラインで完結するものもあるかと思いますが、
その動物の健康を守るためには、オンラインとオフライン(対面診療)の両方が
必要で、そのためにはお互いの信頼関係が重要です。
もちろん、診療を行うためには、その動物の情報が多いほど良い判断材料になります。
オンライン診療に関して言えば、
利便性と安全性は逆相関になる部分もあると考えております。
(オンラインで完結できれば、飼い主様としては便利だが、獣医師側としては
判断材料が少なくなるので、診断できるものが限られてくる。
経験則で判断しようとすると誤診に繋がる)
当社は、オンライン診療を便利にかつ安全に活用するためには、
開業動物病院の皆さまが活用できる環境とルールの整備が必要だと考えております。
今後時代の流れによって、オンライン専門の動物病院が出てきたとしても、
現場の地域に根差した動物病院との情報の共有は必須だと考えております。
それによって、責任の所在が明確となり、社会全体で正しい獣医療を提供し、
ペットの健康を守ることに繋がると考えております。
農林水産省によるペットのオンライン診療に関するアンケート協力のご案内
• 実施主体:農林水産省 消費・安全局 畜水産安全管理課
• 対象者:獣医師、飼育者向けアンケート
• 日程 2024年6月末~9月末頃(予定)
• 対象 獣医師、愛玩動物飼育者
• 実施方法 Microsoft formsによるウェブアンケート(匿名)
アンケート回答はこちらから(匿名)
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