オンライン相談・診療システム「みるペット」は、開業動物病院様に
導入していただくことによって、飼い主様に対してオンライン上で
動物医療健康相談や、一部オンラインによる診療を提供することができる
WEBシステムになります。
詳しくは、下記記事もご覧ください。
実際に動物病院で運用するにあたって、一連の流れや、
どのような方に対して提供していくのかなど、確認しておくべき事項があります。
今回は、導入前にチェックしておくべき4つの項目について説明いたします。
①オンライン相談・診療を実施するタイミング
オンライン相談・診療を行うためには、獣医師もしくは動物看護師の方が
パソコンに向かって、ビデオ通話を行う空間と時間を確保する必要があります。
動物病院の診療スタイルによって大まかに以下の3パターンがあります。
完全予約制の診療をしている動物病院様
もともと完全予約制で対面での診療を行っている動物病院様であれば、
予約を取る中で対面とオンラインの区別を付けて管理することで、
今まで同じようなスタイルで来院による診療とオンラインによる診療を
平行して行うことができます。
予約優先制の診療を行っている動物病院様
対面での診療で、予約優先制を導入している動物病院では、
オンラインによる相談・診療の予約を時間帯予約制にすることで、
対面での診療と並行して行うことが可能になります。
※時間帯予約制とは、例えば「10:00~11:00」の枠で予約を取ることで、
この1時間のどこかで診療を行うことになります。
飼い主様にとっては、この1時間の間は動物病院からの連絡が来るのを
待っていなければならず、利便性が少し損なわれます。
予約診療を行っていない動物病院様(受付順)
受付順での診療スタイルですと、飼い主様と時間を合わせてビデオ通話を行う
オンラインによる相談や診療の導入は診療時間内では難しくなります。
そのため、オンライン相談・診療を導入するためにはオンライン診療専用の時間帯を
設ける必要があります。
ネコ専用の診療時間であるキャットアワーなどを導入をされている
動物病院様もありますが、同じように特定の時間帯、もしくは特定の曜日などを
予めオンラインのための予約枠として設定しておくことで運用が可能になります。
※これは先述の完全予約制、予約優先制を導入されている動物病院様でも
同様のことができます。
②オンラインを活用して何を行うのか?
オンライン相談・診療を行うにしても具体的にどのようなことを自院で行うのか、
または出来るのかをイメージすることが大切です。
当社では以下のような項目が例として挙げられると考えております。
薬・療法食などの処方
・予防薬(フィラリア症予防薬、ノミマダニ駆虫薬など)
・酔い止め薬
・アレルギー性皮膚炎
・消化器疾患(下痢など)
・慢性心不全
・慢性腎不全
・眼疾患(流涙症、慢性角結膜炎、白内障など)
・問題行動
・てんかん
・糖尿病
・高血圧
・高脂血症
・肝胆道系疾患 など
経過観察
・慢性疾患(循環器、泌尿器、運動器など)
・外耳炎
・ドライアイ
・消化器(下痢など)
・風邪
・皮膚炎
・術後の経過(術創のチェックなど)
説明
・検査結果(健康診断、遺伝子検査、各種血液検査、病理検査など) など
相談
・獣医療全般
・手術相談
・セカンドオピニオン
・しつけ
・問題行動
・デンタルケア
・飼育方法指導
・グリーフケア
・渡航書類作成 など
その他
・往診
・夜間
・ターミナルケア
・オンライン面会
・退院後のフォロー など
③どのような方にオンラインによる獣医療サービスを提供するのか?
オンライン相談・診療を導入しようとした場合、
自院にてどのような飼い主様にニーズがあり、また自院の強みをどのように
オンラインで生かせるのかを検討する必要があります。
新規患者様向け
相談
・他院による今の治療に関して他の獣医師の意見を聞きたい方(セカンドオピニオン)
・来院するまでではないが、少し気になることがあり獣医師等と話のしたい方
・普段から電話相談サービスを利用している方
・病院は普段行ってないが、ネットでよく情報収集している方
(とくにネコの飼い主様) など
診療
・ネットで薬のみ購入してしまっている方
・対面での通院は距離があり難しいが、オンラインで代替できるなら
かかりたいと思っている方
・病院嫌いの動物(とくにネコ)の飼い主様
・病院に連れて行くのが大変な大型犬の飼い主様 など
既存飼い主様向け
相談
・しつけ指導、歯磨き指導、予防相談、グリーフケアなど
・海外へ行った方
・いつでも電話で相談、もしくは受付で立ち話をする方
・ブリーダーやペットショップの方とのコミュニケーション
・自宅療養中のターミナルケアの必要な方のフォロー
・各種検査結果の伝達 など
診療
・経過の落ち着いた慢性疾患患者の状況確認と薬の処方 など
④だれがオンライン相談・診療を行うのか?
オンライン相談・診療を導入する場合、
それを自院のだれが行うのかを想定することが大切です。
既存の院内の獣医師
オンライン「診療」はもちろん獣医師しかできません。
対面診療と同様に院内の獣医師がオンラインでの相談や診療を行います。
パートの獣医師、産休中の獣医師
既存の獣医師は対面での診療に対応することでいっぱいで余裕のない場合、
短時間勤務のパートの獣医師を雇用する、
もしくは産休中や育児のための時短勤務中の獣医師にオンラインの相談や診療業務を
行ってもらうことで、診療を拡大したい動物病院と
もっと働きたい子育て世代の獣医師のニーズを満たすことができます。
動物看護師
オンライン「診療」は獣医師しかできませんが、オンライン「相談」は
動物看護師でも対応できる分野があります。
たとえば、しつけ指導、爪切りなどのお手入れ指導、予防相談、
歯磨きなどのデンタルケア指導など、獣医学的で、個別具体的なことでなければ
対応が可能です。
収益の増加や動物看護師の職域の拡大とやりがいの増加などが期待できます。
まとめ
オンライン相談・診療を導入する上で検討すべき4つの確認事項を
ご説明いたしました。
オンライン相談・診療はまだこれからの分野で、議論もこれからになりますが、
現状でも動物病院様それぞれに合った活用の仕方が多くあります。
既存の飼い主様はもちろん、まだ動物病院にいらっしゃっていない飼い主様に
対しても、今まで以上に獣医療サービスを提供することが可能になる技術です。
「みるペット」をご導入いただくときも、
それぞれの動物病院様とお話させていただき、その動物病院様に合った運用の方法
を一緒に検討させていただくこともできます。
どうぞお気軽にご相談ください。
「みるペット」の運用開始時に確認することは下記記事をご覧ください。